東北大学

活動報告

群馬県立前橋女子高等学校で出張講義を実施しました(10/17)

2025.10.24

10月17日(金)に群馬県立前橋女子高等学校で出張講義を行いました。東北大学大学院工学研究科の佃 悠 准教授が講義を行い、高校2年生 50名が参加しました。

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講師: 東北大学大学院工学研究科 都市・建築学専攻  佃 悠 准教授
タイトル: 「建築でこれからの社会をつくる ―東北大学で学ぶ都市・建築学―」
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講義では、世界には著名な女性建築家が大勢いること、建築学は学際性が高く、エンジニアリングだけでなく文化や歴史への理解も必要な学問であること、東北大学工学部では建築にかかわる分野を幅広く実践的に学ぶことができることを説明しました。
そして、建築計画学の観点から、具体例として東日本大震災や能登半島地震の被災地における被災後のコミュニティ形成におけるプロセスや住まいの居住実態を、実例を交えながら紹介し、これらの取り組みの成果を科学的に検証することによってさらに未来の建築をつくっていくことができると説明しました。

<質疑応答>
Q1:環境配慮の建築にはどのようなものがありますか? 
A1:高断熱化住宅などすでに一般に普及したものもありますし、新しい技術としては、大阪・関西万博で紹介されたような将来的に森に戻る建築も試みられています。福岡市にあるアクロス福岡では、竣工してから30年の間に屋上緑化の樹種が自然に増加するなど、都市環境へも貢献しています。

Q2:建築設計で新しいことを思いつくためにどのような勉強をしておくとよいですか?絵は上手な方がよいでしょうか。
A2:絵が上手であるに越したことはないですね。日頃からスケッチなどの練習をしておくとよいでしょう。オリジナリティは大事ですが、ゼロからは何も生まれないので、建築の雑誌などを読んだり、実物を見たりして、さまざまな建築作品を知ることから始めるとよいと思います。

<生徒の感想>

  • 建築関係の仕事で女性が活躍しているイメージはあまりなかったので、様々な賞を取ったり世界で活躍されている女性が多くいたりすることに驚きました。建築の知識だけでなく歴史や基礎知識も重要だと知り、その点で総合大学である東北大学は打ってつけの学びの場であると思いました。特に印象に残ったのは、できた住宅に実際に住んでいる人の意見を交流する場を設けたり被災した方々に仮設住宅をプレゼンテーションしたりしていたところで、建築業が人との関わりが強いことを実感しました。また、前橋にも価値の高い建築物があることを知り、自分の目で見に行きたいと思いました。本日はお忙しい中素晴らしい講義をしていただきありがとうございました。

  • 今まで建築はデザインや設計など芸術的なセンスが求められるもの、力学や建築材料といった物理的なシミュレーションをするものというイメージがあった。今日の講演で、建築には他にも、「人が暮らすこと」を踏まえて環境を調査したり、設計の前に計画を立てフィードバックを得て改善したりする学問分野があることを知った。「人がどう生きるか?」を念頭に、社会学などの手法を用いて実態調査を行うことについて、意外に思った。同時に、自らの工学を志す上での目標を、「人がよりよく生きるために」という観点で再考する契機になった。

  • 設計について学ぶだけでなく、社会学や文化人類学など他分野から、家の構造を考えたり、実際に住んでいる人の行動から、心理を考えていて興味深かった。東日本大震災や能登半島地震の時には学生が実際に考えた案を街の人にプレゼントしたり、ディスカッションしたりするなど、積極的な活動に魅力を感じた。

  • 群馬に万博で活躍した人が設計した建物があると知ってすごくびっくりした。また、海外で働いている人もいるという話を聞いて活動範囲の広さを改めて感じた。自分はプレゼンに対して苦手意識があるから大学でその機会がたくさん設けられているのはいいなと思ったし、プレゼン力を高められればほかの分野にも生かすことができると感じた。建築は難しいイメージが強いけど、自分自身建物を見るのが好きだからもうちょっと建築について知っていきたいと思った。

  • 今回の講演を聞いて一番驚いたのは、文理が融合している側面があるということです。社会学や人類学など、おもしろそうな学問も学べるという点がとても魅力的だなと思いました。また建築分野について、家を設計するためには考慮しなければならないことが沢山あって大変そうに感じる一方で、やりがいのあるお仕事だと感じ、興味が湧きました。

  • 海外や日本の様々なユニークな形の建物を見て、建築士の方の発想に感動した。柱と張りがなくても、カ学的エネルギーの分解によって造ることができると聞き、今まであまり興味がなかった物理に興味がわいたとともに、身近に物理がたくさんあるということも改めて感じた。

  • この度はお忙しい中、ご講演をありがとうございました。「建築=建物を設計する」という漠然でしたイメージしか持てていなかったのですが、それ加えて「他者の存在」「人との繋がり」が大切であるなど、自他共に幸せにできる素敵な学問であることを知れてすごく良い経験になりました。震災復興に関して仮設住宅のことなどを殆ど知らなかったので、大学の研究が携わっていて、誰がどんなことをしているのか、その一部を学べて良かったです。元々、工学・建築学といった分野に興味があったのですが、今回でより視野が広がり、関心を高めることが出来ました。

  • 建築は以前から少し興味があったので、今回のガイダンスでより深いところまで知ることができてよかったです。より興味が湧きました。工学には建築以外にも土木もあることを初めて知ったので驚きました。建築家は設計をするだけではなくて、「設計のための条件を整える」という仕事もあり、それが結構重要だということが一番印象に残りました。群馬県にはたくさんの美しい建築物があるそうなので探したいなと思います!

ご参加いただき、ありがとうございました。

東北大学工学系女性研究者育成支援推進室 ALicE
東北大学工学系女性研究者育成支援推進室 ALicE

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