東北大学

活動報告

埼玉県立川越女子高等学校で出張講義を実施しました(10/23)

2025.11.05

10月23日(木)に埼玉県立川越女子高等学校の「進路講演会」で、東北大学大学院工学研究科の北川 尚美 教授が講義を行いました。高校1・2年生とその保護者の約760名が参加しました。

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講師: 東北大学大学院工学研究科 化学工学専攻 北川 尚美 教授
タイトル: 「地域資源を活かした持続可能なものづくり」
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初めに、東北大学と東北大学工学部はDEI推進の取り組みを続けており、特に平等Equalityではなく、公平Equityという考え方を導入し、工学分野でも女性が安心してキャリア選択ができるよう支援していることが紹介されました。また、自然界の真理を追究する理学に対し、発見を人々の生活に活かすことを目指す工学の魅力、非常に広範なテーマを扱っていることから大学に入ってからやりたいことが見つかりやすいことが伝えられました。さらに、石油化学産業の発展と共に体系化された化学工学というものづくりのための学問の醍醐味も述べました。

次に研究紹介として、バイオマス資源に含まれる様々な未活用成分に着目した研究開発について説明されました。特に北川教授は、日本で多く生産されている米に着目し、米油の製造過程でできる廃棄物から、様々な有用成分を取り出して量産する技術を確立しています。この技術を人々の生活に活かすために、スタートアップ企業を立ち上げ、100%バイオマス成分のリップクリームを開発したことなどが紹介されました。

最後に夢を実現するためのアドバイスを行い、夢が実現できないのはあきらめたときだけと高校生にエールを送りました。

生徒からは「夢を実現しようと努力して上手くいかなかったときはどのように対応したか」と質問があり、北川教授は「上手くいかなかったことを発見したと考えて、なぜ上手くいかなかったのかの理由を考えて再チャレンジする」と答えました。

<生徒の感想>

  • あまり具体的には知らなかった工学の世界を、最前線で活躍している先生から直接聞くことができ、とても貴重な経験をさせていただきました。工学と聞いても今まで漠然としたイメージしか浮かばなかったのですが、さまざまなことを通して地球によりよくなるような探究活動を行なっていらっしゃるのだとわかり、とても格好いいなと思いました。最後の夢を叶えるためのアドバイスでは、研究だけでなく勉強にも通ずるところがあり、私もたくさん挑戦し、失敗しても原因を追及し、諦めずに進んでいきたいと思えました。本日は貴重なお話本当にありがとうございました。先生のお話を忘れず、今後の学校生活をよりよいものにしていきます。

  • 東北大学の女子学生をサポートする制度を知ることができてとても参考になりました。まだ将来の夢や目標が決まっておらず、どんな大学のどんな学部に進むかはわかりませんが、性別に左右されずにやりたいことをやっていきたいと思いました。また、最後の方でお話しされていたリップクリームや、自然由来のものに興味を持ちました。普段買い物をするスーパー等で自然由来のものを探すのは大変かもしれないけれど、環境のために少しお金を使ったりしていきたいです。素晴らしい講演をありがとうございました。

  • この講演を通して、自分の好きなことを仕事にすることはとても夢のあることで素敵なことだけど、それと同時にすごく難しいことなのだと感じました。「女性初の何かを成し遂げる」という言葉を聞いて、明確にしたい仕事が決まっていなくとも、目標や人生の指針を定めることは、今の自分が何をするべきか明らかにしてくれるのだと思いました。また、研究のみならず行動力もすごいと思ったので、私も何かをする時は自分自身に「できない」と決めつけることはせず、トライ&エラーを繰り返していこうと思いました。本日は凄く学びのある講演をありがとうございました。

  • 北川先生の大きな目標だけどブレずに持ち続け、そこを常に意識して前に進むという姿勢を私も持つようにしたいと思いました。何がしたいかという具体的な夢や目標は持てなくても、こんなことができたらいいなと思っているだけでもモチベーションになるんだとわかりました。また、失敗しても原因を考えて、やり直せば必ずいつか成功するという言葉からは前向きに考えられるきっかけになったと思います。自分の夢を持ち続けてこれからも勉強など頑張りたいと思いました。ありがとうございました。

  • 私自身、まだ文理で迷っているところがあって、理系の学部に興味あるのあまり無いなと思っていたのですが、今日のご講演を聞いて、理工学部の中にも必ず興味の持てる分野があるということや、特に化学はいろんな分野に繋がるということを知り、興味が湧きました!理工学部のように、自分の研究したことから、人の役に立てていくという学部はとてもいいなと思いました!化粧品や医療、食品に関わる仕事がしたいと思っていたので、化学系の学部に興味を持ちました。特にスーパービタミンEの話や、リップにはいろんな成分が含まれていて、たくさんの人のクレームからいろんな口紅が開発されているということのお話が印象に残りました。ありがとうございました。

  • 私は東北大学の農学部と工学部で迷っていましたが、工学部は男女比率が不安で志望から外していました。今回の先生のお話を拝聴させていただき、東北大学の公正性を重視した取り組みや、10%といっても100人いるという事実、先生の体験を知り、自分が本当にやりたいと思うなら男女比も些事だなと思うようになりました。トライアンドエラーで前向きに取り組めるように頑張りたいです。本日は講演していただき、ありがとうございました!

  • 私は工学部系の学科に進学したいと考えていますが、家族の中で女子で理系の人は私1人でロールモデルはいませんでした。しかし、この学校でSSHという環境に入って理系という選択肢をより具体的に知ることができ、工学部への進学を心に決めることができました。先生はまさに女性ではじめて、という私たちのロールモデルとして今回の講義を開いてくださり、研究のこと大学のことなど将来の参考になるような様々なお話をしてくださり、たいへん有意義な時間に感じられました。もっちりっぷが商品化されたらぜひ買いたいです。

  • 今回の講演で、女性であっても理系分野で活躍していくための自信を持つことと、最先端の工学技術について具体的に知ることができました。わたしは理系で活躍していきたいと思っているので、とても参考になりました。女性であるということにハードルを感じるのではなく、誇りを持って進路に進んでいけたらなと思います。今までは工学についてよく知りませんでしたが、今回の詳しい研究内容や化学の実用化についての説明で、工学の分野は気になりました。環境保護にとても関心があるので、持続可能な開発についてもっと調べてみたいと思いました。貴重なご講演、ありがとうございました。

  • 先生のような「女性初の◯◯になりたい」という漠然としている夢も持っていていいんだと思えました。理系に進む女子の割合は昔に比べ高くなっているけれど、まだ世界には及ばないことを知りました。理学部とは違い、工学部は現象や法則を理解した上で、私たちの生活に応用していくことがわかり、大学選びの参考にしていきたいと思いました。研究に対する姿勢や、それを実用化させようという気概がすごく印象的で、自分も夢や目標を叶えられるよう努力していきたいと思います。

  • 本日は講演会ありがとうございました。理系に女性があまりいない時代だったのにも関わらず自分の夢を第一に貫いて行く姿がとてもかっこよくてすごいなとおもいました。また工学の最先端を知ることができとてもいい機会となりました。夢を実現するために今日アドバイスしてくださったことを頭にいれて来年の受験に活かせるようにしたいとおもいます。同じ川女生だった先輩に貴重なお話を聞けてよかったです。

  • 先生が川女出身だったと言うことで自分の事のように考えることが出来ました。最後の言葉の何回たちあがれるか、というのがとても心に響きました。いつも失敗をすることに怯えて色々なことに挑戦できていないのでとても心に染みました。私も先生のようになにかに真剣に取り組み自分が満足できるようなことをやってみたいです。

  • とにかく意欲的に社会の問題に役立つ活動、研究されている先生がすごいと思いました。特に環境に優しく効率的なエネルギーを作り出していることに感銘を受けました。豊かになったぶんさまざまなところで無駄が生じている社会だと思います。分野を超え、それぞれの分野でいらない部分を有効活用する社会になったら本当にいいと思いました。また、自分が普段使う商品なども、安さだけで選ぶのではなく一人ひとりが意識を高めていかなければいけないと思います。

ご参加いただき、ありがとうございました。

東北大学工学系女性研究者育成支援推進室 ALicE
東北大学工学系女性研究者育成支援推進室 ALicE

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