Women with Sparkle

ABOUT

東北大学工学系女性研究者育成支援推進室 ALicE

#1

東北大学工学系でともに学びませんか?

東北大学工学系でともに学びませんか?

田中 真美 教授

東北大学大学院 医工学研究科 医工学専攻

東北大学大学院 工学研究科 ロボティクス専攻

 

東北大学は「門戸開放」を理念に、日本で初めて女子大学生が誕生した大学です。その理念のもと、女子学生や女性研究者に対して積極的な支援を行っています。
私自身、平成元年(1989年)に東北大学工学部に入学し、学生、そして、教員時代をここで過ごし、その変遷を身をもって痛感してきました。平成元年には、工学部1学年900人に対して女子学生は27名(3%)しかおりませんでしたが、令和元年にその数は91名(10.9%)となりました。大学院における女子学生の割合はさらに高く、修士課程は325名(14.7%)、博士課程は156名(20.2%)と、右肩上がりで増加しております。
平成25年には、青葉山キャンパスの工学系の研究科等を中心に東北大学工学系女性研究者育成支援推進室(ALicE)が設立され、女性研究者ならびに女子学生の支援は充実してきており、その取り組みは活発化しています。さらに、平成30年4月には工学部のある青葉山キャンパスに「青葉山みどり保育園」が開園しました。学生や教職員が利用できる東北大学の学内保育園は3つになり、国立大学の最大規模の保育施設が整っています。また、工学系の女性教員の数も着々と増加しており、若手からベテランまで、元気に活躍しています。

社会の役に立てる研究

私は機械系の出身ですが、学生時代には機械工学の肝となる4力(熱力学、流体力学、材料力学、機械力学)の一つである「機械力学」を研究対象とする研究室に入りました。学部時代の研究テーマは「ロボットアームの振動制御」、修士時代には「ロボットフィンガの微小力制御」の研究を行いました。ロボットアーム(腕)からロボットフィンガ(指)へと手先の方向へ研究を進めていくにつれ、人間と同等、さらに人間を超える手指を作るということがいかに難しいかが分かり、触覚の奥深さを実感しました。
博士号を取得した研究テーマは、「ロボットフィンガのアクティブセンシングに関する研究」です。人間は欲しい情報に応じて手指の運動を無意識に変化させ、様々な情報を得ることができます。そこで、ロボットフィンガに人が手触り感を測るときのような動作をさせ、そのとき、得られるセンサ出力を信号処理することより手触り感を測る(得る)ということを目標として研究をしました。その際、布の判別や、紙の種類を分けることなども行いました。この研究で得られた成果を学会で発表したところ、国内外の数多くの企業に興味を持っていただき、共同研究で企業の商品開発にも役立ち、社会へ貢献できることを実感する機会となりました。

匠の手を作るには?

ロボットフィンガの開発研究を突き詰めていくと、フィンガが格好よく動くだけではダメで、触感を感じるものでなければなりません。触感とは何か、実はその原理は十分に明らかになっておらず、我々の研究室でも触覚・触感の原理の解明についても研究しています。また、簡単に想像できると思いますが、触覚や触感において個人差もあることがよくわかってきました。例えば、手触り感のさらさらが好きな人、しっとりが好きな人、同じものを触っても好きな人もいれば嫌いな人もいる。個人差は何に起因するのでしょうか?触られる対象物だけではなく、触る人の指先の特徴や動作などを計測し、触覚の解明を試みています。その人の触感の好き嫌いの原因となる要因を簡単に測ることが可能になれば、「あなたへのお薦めはコレ!」といったものを、その場で提案できるかなと思っています。また、モノづくりにおいても、現在は職人さんの勘や経験によって作られていますが、この研究は設計指針を与えることに役立ち、ゆくゆくは触覚・触感のコントロールも可能になるかなとも考えています。
医療の現場で触覚を用いた技術として「触診」も良く行われますが、熟練者と未熟者の差が大きいことが問題です。そのような差をなくすためにも、自動で測れるような触診の装置の開発が求められています。また重病にならないようには病気の早期発見早期診断が重要になるため、皆が簡単に家でも利用できるような診断装置ができればと、その装置の開発に取り組んでいます。

日々の暮らし

夫は他大学の教員で単身赴任をしており、仙台では私と息子との二人暮らしをしています。息子も中学生になり、頼りになる存在になってきていると感じています。私が仕事で疲れ果てて帰ってきたときに、「息子がご飯を作っていてくれた!」となったらそれは最高ですが、そこまでには至っていないものの、色々と手伝いもしてくれて、とても助かっています。夫とも日々の電話での会話や、週末に頻度良く帰ってきてくれるので息子のスポーツの応援を一緒にしたりし、お互いのリフレッシュになっていると感じています。
今の時期(12月~1月)は、学部2年生に「機械力学」の授業を週2回教えています。授業では、機械系1学年分250人程度の受講者がいます。大変大きな教室で授業を行っていますが、皆熱心に受けてくれていると感じています。先日、「今日の授業面白かった!」と突然言われて嬉しかったですね。また、学生に質問もされると授業を理解しようとよく聞いてくれているのだなと思って、これも嬉しくなります。
最近色々と会議業務も増えていますが、研究室のスタッフともALicEのスタッフともお昼に一緒にご飯を食べて意見交換を可能な限りしています。良い仕事は良いチームワークからと思っています。

工学を目指すみなさんへ

今回の記事を作成するにあたって、小さい頃のことを振り返りました。思い起こすと、昔から私は好奇心旺盛と言えるでしょう。毎月届く「学習と科学」を楽しみにしていました。自分でも台所で酢と卵の殻を使って二酸化炭素を作り、その二酸化炭素でマッチの火が消える様子を見たり、また、お風呂場のお湯に指で波紋を作って波の干渉を見てみたりしていました。小学校では寄り道三昧で、帰り道の鉄工場の溶接を見ていたり、葉っぱや川や見たりしていました。また、色々なものを分解することも大好きで、親の時計が元に戻らなかったことがありました…。
高校時代では、救急車が来る前と通り過ぎた後にサイレンの音が変わるドップラー現象の原理を物理で学んだ時にとても感動したことを覚えています。これは音が波であり振動していることによって起きる現象ですが、私の行っている触覚の研究も振動に非常に大きく関わっており、高校の時に感動した内容と関連した研究だからこそ、今も情熱を持ち楽しく研究を続けているのかもしれません。工学を目指す皆さんも、情熱との出会いはもう始まっているのかもしれませんよ。実験好きな方、観察好きな方、分解好きな方、モノづくりが好きな方、是非一緒に学びませんか。自分の興味のあること、好きなこと、情熱に素直になり、大事にしていきましょう。応援しています!

PROFILE

田中 真美 教授|たなか まみ

東北大学大学院 医工学研究科 医工学専攻
東北大学大学院 工学研究科 ロボティクス専攻

1995年東北大学大学院工学研究科博士課程前期修了、同年より同大工学部助手に採用。1999年博士号取得(工学)。その後、講師、准教授を経て、2008年より東北大学大学院医工学研究科教授。所属は機械系。2018年から総長特別補佐(共同参画担当)。趣味はドラマを観ること(主に朝ドラ)。

東北大学工学系女性研究者育成支援推進室 ALicE ページトップTOP